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太っている人ほど更に太りやすい-肥満負のループ-

実は「太っている人がさらに太りやすい」というのは単なる気のせいではなく、体の仕組みとして科学的に説明できます。脳・ホルモン・代謝・腸内環境など、いくつもの要因が“体重を守ろう””蓄えよう”と働きます。本記事では、論文で示された代表的なメカニズムをわかりやすく整理。ダイエットに挑戦する方の自己理解のヒントになります。

1. ダイエットを阻む「ホルモンと脳の信号」

1-1 レプチン抵抗性と満腹感の低下

脂肪細胞から分泌される「レプチン」は、本来なら脳に「もう食べなくていい」と伝えるホルモンです。ところが肥満ではレプチンが効きにくくなり、食べても満足感が得られにくくなります。結果として「食欲のブレーキが壊れた状態」に陥りやすいのです。

1-2 視床下部の炎症が食欲を乱す

脳の中心にある「視床下部」は体重や食欲を調整する司令塔です。肥満状態ではこの部位に炎症が起こり、食欲コントロールが乱れやすくなることが報告されています。つまり、脳そのものが「太りやすいモード」に切り替わってしまうのです。


2. 食べたくなる「脳の報酬回路」の変化

2-1 ドーパミンと食欲の悪循環

快楽ややる気に関わる「ドーパミン」。肥満の人では、この受容体が少なくなり、食べ物から得られる満足感が弱まりやすいことが研究で示されています。すると「もっと食べなきゃ満足できない」という悪循環に陥ります。

2-2 甘い・脂っこいものがやめられない理由

高糖質・高脂肪の食事は、脳の報酬回路を強烈に刺激します。いわば「中毒性」があり、習慣化しやすい。これが「頭ではわかっていてもやめられない」背景です。


3. 脂肪細胞と遺伝がつくる「太りやすい体質」

3-1 幼少期に決まる脂肪細胞の数

大人になってからの脂肪細胞の数はほぼ変わりません。つまり子どもの頃に脂肪細胞が多いと、それ以降は「ため込む容量」が大きいまま。減量しても脂肪細胞の数は減らないため、再び太りやすくなります。

3-2 遺伝子と“燃やす力”の個人差

肥満リスクに関わる遺伝子の中には「エネルギーを燃やす」より「ため込む」方向に作用するものがあります。有名なのはFTO遺伝子で、脂肪を燃やす遺伝子群の働きを抑えるため、同じ生活をしても「太りやすい体質」になりやすいと報告されています。


4. 腸内細菌と生活習慣の落とし穴

4-1 腸内細菌がカロリー効率を左右する

腸の中には数兆もの細菌が住んでおり、その種類によって「同じ食事からどれだけカロリーを取り出すか」が変わります。肥満の人に多い腸内細菌は、食べ物から効率よくエネルギーを吸収するため、太りやすさを後押ししてしまいます。

4-2 NEAT低下と「座りっぱなし」のリスク

NEAT(非運動性活動熱産生)は、日常の立つ・歩く・片づけるといった動作で消費するエネルギーのこと。肥満の人は座っている時間が長い傾向があり、NEATが低下しやすい。これが「運動しているのに痩せない」原因の一つになります。


まとめ

太っている人がさらに太りやすいのは「意志が弱いから」ではありません。
ホルモン・脳・脂肪細胞・腸内細菌・生活習慣といった複数の仕組みが、体を“太った状態に戻そう”と働いているのです。

だからこそダイエットは「一時的に減らす」だけではなく、維持期にどう習慣を作るかが重要です。

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